いつ神が、そして神殿が?

NHKスペシャル『人類誕生』第2回。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが接触し、遺伝子が継承されているという。世界のヒトの遺伝子には、ネアンデルタール人の遺伝子が2%強ほど入っていて、東アジア人にはやや多め。もちろん日本人の場合も、同程度。…

壁の情報建築論

フェイク合戦を情報建築論として見てみよう。 各種メディアはトランプのフェイク情報を非難する。トランプは各種メディアの発する不利な情報をすべてフェイク・ニュースだとして退ける。まるで城壁を挟んで矢が飛び交っているかのように見える。そう、ここに…

21世紀の神と神殿

いったいいつから人間は神を意識し始めたのか。そしていつから神が消えたのか。 生命体に脳が発生した時から、神のようなものが意識され始めたのではないか。生物は生存欲求がプログラム化されているが、環境にはそれを阻害する要素が満載されている。ガイア…

人間−環境系の脳化

弱者こそ進化できる。とりわけ、脳の進化が起こる。 男性社会では弱者である女性の方が脳の進化が起こっているのか。ただ、ずる賢くなっていくのであれば不幸なこと。より理性的な思考方法ができるように前頭前野が発達するのであれば、人類の文明は進む。北…

人類誕生と人工物

NHKスペシャル『人類誕生』がちょうど都市・建築進化論に刺激を与えてくれる。進化とは何なのか。 人類が猿からさらに発達するのは、脳の発達こそキーターム。しかしそればかりではない。 二足歩行が始まったこと。それは脳を高く保つこと。血の巡りが悪くな…

クオリア論からピクチュアレスクへ

茂木健一郎は、山寺の五大堂から眺めた風景を前にして、並列する様々の「クオリア」の存在に気がつき、そのようなアウェアネスにあり方を「メタ認知」したのだと言う。そのことがいわばキーワードとなり、著書『脳内現象』が書かれているが、この書はまるで…

脳に思考停止を促す様式

神経経済学というジャンルができているとのいう。株式投資などに際して意思決定する際に、専門家の言うことに無防備に信頼してしまう現象について、それは一方の報酬予測や情動的な認知・決断に関わる大脳辺縁系の前帯状皮質と、他方の理性的で抽象的な思考…

メッセージ物質で様式論

今回(2017-18年)のNHK人体シリーズは、臓器よりもホルモン、つまりメッセージ物質を焦点化。これに刺激されて・・・。メッセージ物質は解明途上。現代の情報論の時代は、人体内での情報システムの存在に光を当て始めた。脳からの指令だけでない、臓器相互…

形ある作品より生成作業に真実が見える

なぜ様式は変遷するのか。優れた様式が完成すれば、それを使い続ければよいではないか。せっかくの盛期ルネサンスの高みもあっというもないマニエリスムに喰まれて落ちていく。無駄な道行きなのか。 人間は完璧な解答にも満足しない、矛盾に満ちた生命体。揺…

ドーパミン論からデザインを考え直す

デザインを悪者扱いする言葉がよく見かけられる。曰く、経費の無駄遣い、遊び、目くらまし、実用性を阻害するもの、etc. 確かにそのような「デザイナー」も多いので、非難を受けるのも道理かもしれない。 JABEEという工学教育の学科の資格審査のようなもので…

転換期の仮舞台としての新古典主義

改めてル・コルビュジエを見てみると、彼が20世紀初頭の新古典主義から影響を受けていたことが確認できる。ラ・ショー-ド-フォンの「メゾン・ブランシュ」、「ファーブル-ジャコ邸」はベーレンス的な手法が見える。より詳細にはシンケル的ベーレンス。重厚…

音楽の脳科学から

シュテファン・ケルシュ著『音楽と脳科学ー音楽の脳内過程の理解をめざして』というタイトルに惹かれて、ざっと読んでみた。もっとも、現代は"Brain & Music"とシンプルだ。マックス・プランク研究所で音楽心理学の研究を経てきていて、柔な脳科学書ではない…

フラハティによる創造性談義から

創造性というものが脳内のどこに発しているのか。脳科学もまだ解明できていないようだ。アリス・W・フラハティの『書きたがる脳ー言語と創造性の科学』というタイトルに惹かれ、読んでみた。何だか、小説を読んでいるような面白さがあった。自らの出産に伴う…

神経科学からの装飾論

ニューロンを伝い、シナプスを渡るという脳内の電気信号。その電気的な刺激は傍らから様々の情報を得て強化されるという。それを修飾とも言うらしい。ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン等の神経伝達物質が神経修飾物質とも呼ばれている。自然科学の…

ブリューゲル一族の脳内を覗く

ブリューゲル一族の絵には多数の庶民が登場する。ピーテル・ブリューゲル(父=一世)、ピーテル・ブリューゲル(子=二世)、ヤン・ブリューゲル(一世)等々。16世紀初期にイタリアに旅した父は、当地のルネサンス絵画の誇らかな手法からの影響はほとん…

ルネサンス脳

ルネサンスを迎えるイタリアでは、中世のテデスコ(ドイツ)の建築様式、つまりゴシック様式に対する嫌悪感が高まっていた。古代ローマ時代の遺構は到るところにあり、その建築様式が理想的を見なされ、その復活が目論まれる。しかし、それは単なる復古現象…

ゴシック様式・・・ つづき

様式は数百年継続した。この継続性がテーマ。庇護感は長続きしないだろう。基盤的な庇護感は持続するだろうが、次第に薄れる。より強い庇護感を得るにはより新しい要素を持って、人の感覚を刺激しなければならない。新しい刺激をもたらした新しい工夫も記憶…

ゴシック大聖堂と脳

ゴシックの大聖堂は脳科学的に解釈できるのか。なかなか答えが見つからない。中世においては個人は埋没していた。ルネサンスとともに人の個人的な能力が直接に評価されるようになるが、中世には芸術家の名前もおぼろげでなる。そこでは個人よりも共同体社会…

ミケランジェロの造形脳

ゼキによるとミケランジェロの彫刻、絵画に未完成が多いのは、作為的だったという。未完成の部分に対して鑑賞者が多様な読み方をできるのが、彼の意図なのだそうだ。やや穿ち過ぎのような気がするが、覚えておきたい。私には、ただ、あまりに目標が高いため…

フェルメールの空間表現

フェルメールの絵画で特徴的なことは、絵画の主人公が横向きであり、鑑賞者に整体してくれないところだ。『窓辺で手紙を読む女』や『真珠の首飾りの少女』は、窓から差し込む光に向かって佇む女性という典型的なパターンを見せる。視線をこちら向きにする『…

ファサードの対称性

カンデルの脳科学的解釈によると、人の顔は対称であるほど、見る者に快感を与えるのだそうだ。ココシュカの絵画を画像操作をしながら説明される。対称な顔は生物としての健康さを示し、非対称は何らかの不具合が原因で起こっているとされる。ちなみに眼球か…

建築の始まりはどこか

そもそも人の体表面に毛がなくなった時から、人は身を守るために衣服を必要とし、また住居を必要とし始めた。それには頭脳の発達が欠かせなかったわけだが、なぜ脳が発達したのかはいまだに謎らしい。毛がなくなった理由も同様。 南アフリカ海岸線にある洞窟…

脳内でのトップダウンとボトムアップ

眼球のレンズを通って入った光が網膜に像を写し、視神経細胞がデジタル化して電気信号となし、後頭葉の視覚野でデータに分解される。それを再統合しなければ見た対象が何だったのか認識されない。前頭葉は記憶をもとにしてそのデータを解釈する。それが記憶…

脳内のイデアとしての様式:ギリシャ神殿

ギリシャ神殿は木造建築をモデルとして、石で彫刻作品にしたものである。その際に木造の構造は力学的に石造でそっくりにはできないから、ある操作が加えられる。アルカイック期の神殿は太すぎる円柱を持つが、一本の柱は数個の石を積んだものである。重い石…

近世建築と脳

近世の建築史は宮殿が中心となる。建築史の舞台は古代の神殿、中世の教会堂と続き、いずれも宗教建築の範疇にあるが、近世はその枠を超える。とはいっても、宮殿もまた宗教的世界観からの延長上に、新しい世界観の精神表現だったと見ておかなければならない、…

脳科学的な宗教建築史に向けて

建築史を脳科学から解き明かせないか。少し、書籍を物色してきたが、なかなかこれというものに突き当たらない。予備的な考察をしておこう。 古代に神殿が発生したのは、どのようにしてか。 神殿には神像が収容される。屋根がかかった神殿では内部が暗く、ま…

ウィーン脳vsベルリン脳

1871年にプロイセンがフランスとの戦争に勝利すると、ドイツ帝国が創立され、すぐに泡沫会社期と言われるバブルが起こる。バブルは弾け、経済の停滞を招く。しかし、統一される前のドイツの諸国からあらゆるエネルギーが新帝都ベルリンに集中し始める。若い…

カンデルの世紀転換期ウィーン論

エリック・カンデルはノーベル医学・生理学賞受賞者。『カンデル神経科学』を覗いてみたが、神経学百科全書のような体裁で、専門的な論文集のようでもある。堅物の学者さんかと思いきや、『芸術・無意識・脳』は一転して美術史の書。脳科学者が分析する美術…

セミール・ゼキの脳科学的芸術論から

『脳は美をいかに感じるか』に見るモダニズム・アートについてのセミール・ゼキの説は刺激的である。モダニズムの抽象芸術化の傾向の中で、まるで芸術家は科学者になったかのように見えるという。それもあいまいな感想ではなくて、後頭葉の視覚野で起こって…

様式は進化する

ミケランジェロはなぜ、盛期ルネサンス、マニエリスム、初期バロックと変遷できたのか。一定のスタイルに留まるだけでもよかったはずなのに。 そもそも様式はなぜ変遷しなければならないのか。ヴィンケルマンはミケランジェロのバロック・スタイルを批判する…