建築論

ギョベクリ・テペのT字形石板を再考する

一万二千年ほど前のギョベクリ・テペ遺跡が頭にこびりついてから久しい。いろんな妄想が浮かんでは消えを繰り返す。そのアール・ブリュットのような様から、またひとつ解釈案が思いついたのでメモしておこう。 なんと言ってもあの鍵板にも似たT字形の大きな…

自己愛のルネサンス建築

中世から近世への変化は、とりわけ中世型宗教からの脱出という様相に特徴がある。中世型宗教、つまり西ヨーロッパではカトリック、日本では中世仏教、がマンネリ化し、そこからの脱出を人々が求めた意識が、大きな時代の変化をもたらしたことになる。中世型…

建築史を脳科学の語彙で読み直そう

H.J.マルグレイヴの著書『建築家の脳』は、勃興しつつある脳科学的な思考法を建築デザインの世界に導入している。G.ゼンパーの建築理論についての研究から始めた建築史家である著者には、古代から現代までの建築理論の歴史についての著書があり、学者然とし…

前部帯状回と中世バシリカ式聖堂

不安に関わる前部帯状回は24野であって、32野は共感に関わるという。両者は隣り合っていて、後者は前頭皮質に接している。ここでまた妄想してしまうのだが、古代神殿の時代から中世キリスト教聖堂の時代への転換はこのあたりに関わるのではないだろうか。古…

前部帯状回と古代神殿

たとえば古代ギリシャ人が都市の守護神を定め、神殿を建てたが、そこにどのような脳内活動があっただろうか。アテネのパルテノン神殿はかなり高度な石工技術が育っていたことを示しているが、その建築物としての輪郭は比較的わかりやすい家形である。それは…

尾状核から建築様式学が変わるか

NHKのさる番組によると、性的依存症に陥った人の尾状核が萎縮しているという。尾状核は新しい体験に際して学習し、記憶に残し、その後の似た体験の際に重要な働きを示すという。新しい体験は感覚器官を刺激し、その情報は脳にもたらされ、身体は何らかの…

オーラ感覚を制御する術を共有したい

プラトンの天上中心のイデア論に対するアリストテレスの天上界、地上界の二元的宇宙論は現代にまで続く永遠の二項対立だ。 モダニズム建築が生まれる時に、一方に兄貴的なグロピウス、他方に彼のアドバイスを受けたミース・ファン・デル・ローエがいた。今、…

建築家の脳

ブルーノ・タウトは初めて桂離宮を訪れて感涙し、二度目の訪問の後に印象的なポイントを思い出しながら画帖を描き残した。庭園のフォリーとなる多様な要素や複合的な書院建築の室内のアクセントなどが粗いスケッチで描かれている。 アイストップとなる住吉の…

カオス遍歴と数寄屋庭園

カオス遍歴という概念を知った。カオスの数学で知られる津田一郎氏が、脳細胞群が自己組織化を通してさまざまの記憶を脳内に蓄積する、そのあり方を解釈しようとして考え出したアイデアだという。方程式は単純なのだが、答えはフラクタル数学と同じように、…

ポスト・コロナの建築様式

30年も前から唱え始めた120年周期説、さらに一歩前進できる。今を知るには120年前、つまり1900年前後が参照されるべきだ。その頃、アール・ヌーヴォーから新古典主義への転換がある。P.ベーレンスがそれをなしたのだが、それは歴史が生理現象のように、複雑…

建築のリアリズム美術について

クールベのリアリズムは、どのような脳内現象なのか?新古典主義の英雄的な理想主義を否定し、他方でロマン主義の深い個人的心情告白も否定する。いずれも何か嘘くさい。そう思ったとき、目の前の現実世界が目を落ち着かせる。実存主義的。クールベはそのま…