2019-01-01から1年間の記事一覧

ルネサンスのクオリア論

比例論はウィトルウィウスに遡るわけだが、ルネサンスにはとりわけ比例感覚が重要となった。とりわけファサードの分節は比例美のもとでなされていた。さてその感覚はどこに基盤を持っていたのか。 比例美の感覚は芸術家・建築家の脳に宿った。より正確に言え…

宗教のパラダイム転換過程

古代神話型の宗教と中世キリスト教型のそれの土台の違いはどう表現したらよいか、悩んでいたが、少しヒントあり。宇宙型と救済型。まだわかりにくいが、ヒントにはなる。古代人はともかくも宇宙を理解する言葉を必要とした。中世人は地上の人が死後、幸福で…

合理的造形の背景にある情動

ダマシオは情動→感情→理性という順番を想定している。『意識と自己』の始めの方で。情動が非理性的なものとして下等に扱われてきたことに批判しつつ。情動があるから理性も働くのだと。 建築学も都市工学も、まさに理系の学問だからか、確かに情動を論じるこ…

前頭前野の自立がすなわち近代か

デカルトは、考える我という地平を抽出し、世界を数学で理解しようとした。古代の神々も中世の一神も関わらない、科学的な世界観が生まれる。近代の始まり。脳内では何が起こったのか。前頭前野は物語を創作して扁桃体の発する恐怖感やさまざまの感情を制し…

ルネサンス脳は側坐核に?

人類の文化的進化論。古代、中世、近世。中世脳の宗教社会がわかってきた。その後に近世脳。ルネサンス。どのように。 小脳扁桃という部位は恐怖感と喜びの二元的な感情に関わるという。先史時代のホモ・サピエンスは自然界で生きていくために、この機能に立…

アーキテクチャーとは神の似姿を形にすることか

脳と建築の関係を思索し続けているが、なかなか答えが出ない。今はホモ・サピエンスの始まりからの、人間の認知的な進化過程を参考にしようとしてきている。 5万年前に黒人としてアフリカからアラビア半島に旅立った150人の人間が人間史に画期をもたらし…

認知建築史学は可能か

コリン・レンフルー『先史時代と心の進化』に、「認知考古学」という言葉を見つけた。ホモ・サピエンスが獲得した認知力を軸にして考古学を説き直そうとするものである。ちょうど、建築史を脳の発達とそれに伴う文化的な進化という発想で構築し直せないもの…