2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

⑦エコロジカルな都市風景

戦国時代に中国地方の雄となった毛利元就に拠点は中国山地に位置する郡山城だった。有力な家臣たちはそれぞれの地元に土地と館を持っていた。孫の輝元が秀吉と対峙する頃には、郡山の麓に置かれた居館の周辺に吉田の市場町が発達してきていたと思われる。信…

⑥無機的と有機的

20世紀のモダニズムにおいても緑地、都市の緑化は大きなテーマとして提唱された。今日のグリーン戦略はそれとは随分と質が違う。ポスト・モダニズム以後、もはやモダニズムの機能主義的な「緑」の戦略は批判される対象ともなった。機能的にゾーンを区切って…

⑤オーガニックな都市風景

G7サミットの開催される元宇品は、通勤客も足繁くうごめく広島市の海の玄関宇品港に接するとはいえ、かつての島の原生林の面影がいまだに残されている。それは必ずしも目立った形を持たず、潮に洗われて残っただけの、広葉照葉樹林で覆われた、あまり印象…

④ポジティブなグラウンドゼロ

ルネサンスのイタリアを代表として、理想都市像が描かれ、実際に築かれてきた。20世紀には未来都市を描くことが多くあり、とりわけ科学技術の革新をともなって、時代を動かしてきた。しかし今日、地球環境の病は産業革命以来の科学技術のせいとされてきて、…

③宇品港と広島湾の文化景観

そもそも元宇品地区は広島湾に浮かぶ孤島だった宇品島を道でつないだものであり、今も島の面影を残している。明治になってすぐ、それまで宇品島を中継して小型船から大型船に乗り換えるというまどろっこしい舟運を嘆き、新しい近代的な港を欲した県知事が陸…

②広島の現代建築文化

グランドプリンスホテル広島の設計者池原義郎氏はプリンスホテルが東京で選んだ建築家であり、広島とは縁があったわけではなかったろう。しかしそのデザインは、建築業界で広島派と呼ばれる広島在住の建築家たちのデザイン感覚に近似している。その代表格は…

①サミット会場のホテル建築

G7サミット会場として予定されているグランドプリンスホテル広島は、広島湾に面する元宇品に、印象的な姿で建っている。広島でスポーツ大会イベントのアジア大会が開催された1994年にプリンスホテル系列の広島での目玉ホテルとして開業したが、広島市都心…

広島サミットに寄せて

今年2023年5月、いよいよ広島市を舞台にG7サミットが開催される。世界の首脳が一堂に会して、この時代の世界観が歴史に刻まれることになる。今の世界にはさまざまの課題が山積みであり、サミット自体もグローバリゼーションの成功者によるあるイデオロギー…